ジャコ・パストリアス、ピーター・アースキンというバンド史上最強のリズム・セクションがまともに参加した最後の作品。これまでメンバーの作品以外ほとんど取り上げなかった彼らだが、今回はデューク・エリントンの<5>という超トラディショナルなナンバーを取り上げている。加えてタイトル曲の<1>、ジョー・ザビヌル作曲の<6>、ジャコの10分にも及ぶ大曲<8>と各々ニュアンスこそ違うが、アルバム全8曲中4曲が4ビートのナンバーである。当時のマスコミが「ウェザー・リポートのジャズ宣言」などと論評したのも頷ける。
80年末からジャコのソロ活動が本格化することになる一方、次回作となる『ウェザー・リポート』ではザビヌルは更なるサウンド変革を目指し、ジャコのベース・パートを減らしてピーターにはドラム・コンピューターを担当させる。録音直後の2人の脱退との因果関係は計り知れないが、本作は、本当の意味でこのバンドがバンドであった最後の作品である。(高山武樹)
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01. Night Passage 6:33
02. Dream Clock 6:26
03. Port of Entry (Live) 5:10
04. Forlorn 3:53
05. Rockin’ in Rhythm 3:02
06. Fast City (Live) 6:18
07. Three Views of a Secret 5:55
08. Madagascar (Live) 10:56 Album Only
09. Teen Town (Pastorious Live) 7:01
10. Port of Entry (Live) 8:03
11. Fast City (Live [Long Version]) 6:49
12. Night Passage (Live)